羽毛布団の選び方1


正しい羽毛布団の選び方


眠むの木ウェブ本店での人気コンテンツを要約してみました。
より詳しい説明はウェブ本店にアクセスをお願いいたします。

羽毛布団の選び方のページ

ホワイトグースやシルバーグース、もちろん最高級のアイダーダウンやマザーグース…

最近ではマザーダックやホワイトダウンなどあり、産地で言えば、昔から有名なポーランド産やハンガリー産、最近よく聞くシベリア産・ロシア産・ウクライナ産とは

■この羽毛布団の選び方のページにつきまして

現在、日本国内では羽毛布団の製造メーカーとして、京都西川・大阪西川・東京西川の西川三社を筆頭に数多くの羽毛布団製造メーカーが存在します。掛け布団の詰めモノ素材として機能的には「羽毛・ダウン」が最適な素材です。しかし、羽毛布団は中身が見えず商品自体の価値が判断出来難い品である事は否めません。

このページでは、羽毛布団の歴史が深いヨーロッパのメーカーも含め日本国内のメーカー・また羽毛布団の基本となる原毛、生地、製造方法に関して販売店の目線では無く、過去の経験や現場の取材内容に基づいて偏ることなく記載させていただきます。ページ内の文言・コメントは、全て京都「眠むの木」代表・矢持正三の文責によるものです。

少し長くて読みずらいとのお声もありましたため、こちらのページでは少し短く編集を行いました。
より詳しい説明は、眠むの木WEB本店の羽毛布団の選び方のページにアクセスをよろしくお願いします。

ホワイトマザーグース

ヨーロッパのダウンを主に「京都/眠むの木」が撮影した現場のオリジナル画像を多くアップいたします。スマートフォンでもご覧いただけますが、出来れば、すこし大きな画面のタブレット・パソコン等でもご参照いただければ幸いです。
ホームページ内の画像の転用はご遠慮下さい

羽毛布団の選び方の基本/ダウン?羽毛?羽根?グース?ダック?ホワイトグース?シルバーグース?って

ヘッタースロート地区ドイツ6月撮影/↓下の画像左ホワイトマザーグース、右マザーダック(マスコビー種)
 


羽毛布団 グースとダックの違い

羽毛布団の選び方…まず、羽毛布団に入れるダウンは、「水鳥(みずどり)」主に、上の画像(1)グースダウン(ガチョウ/ホワイトグースダウン・シルバーグースダウンと表示されます)か、(2)ダックダウン(アヒル/ホワイトダウンと表示される場合もあります/画像はマスコビーダック・Muscovy duck)。陸鳥・(3)鶏/ニワトリやチャボではありません…。

↓ハンガリー産シルバーマザーグースの画像


シルバーグースダウン羽毛布団画像

ケチケメート郊外 ソロイ氏のシルバーグース農場にて   / ハンガリー  8月撮影

一般的には「ホワイトグースやホワイトダック」の白色のダウンが使用されますが、茶系の羽根に覆われたグースやダックのダウンは、グレー系のダウンになります。そのため業界では「シルバー」と表示しています。

一般的にグースダウンの方がダックダウンよりも羽毛布団の原料として使用する場合優れた機能がありますが、低級品のグースダウンの場合は、質の良いダックダウンの方が実際に使用する上でご満足度が高いと言う事も事実です。

グースとダックの品種も重要ですが、まずダウンのパワーに関わるポイントは、飼育期間と飼育地域の環境が重要でございます。


2014年初めから羽毛布団業界は、少し大変でした。原因は原料となる水鳥の原毛の異常とも言える高騰と言いきれます。2012年後半からヨーロッパの最前線で飛び交っていた情報が現実となりましたが、2015年に、また少し羽毛布団業界の状況に変化が…
詳しくはWEB本店のページにて…


■羽毛布団の価格の差■

さて羽毛布団の販売価格は大きな差がありります。

羽毛布団の基本素材/羽毛は、基本的には食肉加工後の副産物です(フォアグラや北京ダックが有名)。ダウンの品質にはランクがあります。主な品質・機能を左右するのは、水鳥の品種/グースまたはダック/と飼育期間、加えて飼育された地域の気候です。

ポーランド産ホワイトグース

★寒暖の差があまりない温暖な地域で50日飼育された水鳥のダウンと、寒暖の差が大きな地域で150日飼育された水鳥のダウンでは、後者の方が優れた品質のダウンを得られます。まして氷点下10~20度の冬を越し、春になれば産卵を迎える親鳥(マザーグース)のダウンとなれば素晴らしい保温力・パワーを有するのは、当然といえます。

中国を含め東南アジア地域、もちろんヨーロッパも同様ですが、農場での飼育が40日~50日前後と期間が短い若鳥から得た原毛には、未熟なスモールフェザーやフェザーも混入します。 若鳥から採取された未熟な羽軸/(スモールフェザー・フェザーのストロー状の軸/の中には、成長に必要な栄養組織分等が残留しており、洗浄工程で羽軸の表面の汚れは洗い流されても、ストロー状の軸の内側まで洗浄が及ばないため羽毛布団に仕上がった後「におい」や他の良くない問題が発生する可能性が高くなります。

その様な若鳥のダウンの生産量も含まれるデータ上の収穫数量は、上昇に転じたと言えます。但し「眠むの木」がご提案しているダウンは、飼育期間が長く、充分に成熟した品質の良いダウンです。品質の良いダウンの収穫量は限りがあります。

ダウンパワー


上はFBZ/ハンガリーの品質管理ラボ、 きっちりしたデータによって純粋のダウンが管理されています。

以前から「眠むの木」が言い続けてきました羽毛布団のダウンの産地偽装表示につきまして2016年5月に業界新聞ではなく一般紙で報道されました。品質表示に「フランス産ダックダウン」と表示されていた製品に「中国産の粗悪なダウン」が混入されていたという内容です。

問題になった羽毛の原産地表示につきましては、こちらに「眠むの木」の見解をお書きしております。「眠むの木」では、安心安全を基本とした純粋なヨーロッパ産のダウンを使用しております。但しお伝えしなければならないのは、中国産ダウンの品質が「全て良く無い」という事ではなく、中には「東欧産にも劣らない素晴らしい品質のダウンがある」という事は、消費者の皆様にも知っていただきたい事実です。

良い環境に加えて厳しい寒暖の差が品質の良いダウンを得ることが出来る基本的な条件…そのような環境で飼育期間を長くする事で、水鳥たちは大きく丈夫に育ちます。そのような水鳥から得られる成熟したダウンは、ダウン自体にパワーがあり、吸湿放湿・保温力等、ダウンの機能が優れています。★まさにダウンの産地表示やメーカー名だけではなく、正しい情報・知識を得ていただく事が質の良い睡眠を得るために欠かせない羽毛布団の選び方の基本となります。

下の画像は、年明けの1月にハンガリー・ケチケメートにて撮影した3年目のホワイトマザーグースの画像です。寒暖の差が大きな地域で長期間飼育され完全に成長したグースからは、素晴らしいダウンを得る事ができます。


ダウン・羽毛の価格変動の主な要因

大まかには、ヨーロッパにおける食生活の変化/基本的にグースダウンやダックダウンは食肉加工の副産物/や、ヨーロッパの羽毛・ダウン原産国の一部の国に見られる羽毛の手摘み・ハンドピック禁止の法律化、途上国の需要増等々の理由でグースダウン、特に品質の優れたホワイトグースダウンが手に入り難くなっているのが大きな要因です。またフランス料理で有名な「フォアグラ」の生産も多くの国で禁止の動きとなっている事も影響しています。

ここしばらくは、品質が良い羽毛・ダウンで昔から定評のある、ポーランド産やハンガリー産ではなく、その周辺諸国、例えば東のウクライナ産や西側のフランス産と言う文言、また「シルバーグース」「マザーダック」「グレーダック」と言う文言も目立ってくる事でしょう。

私たちプロから見て安心出来る品質を保っているポーランド産やハンガリー産の純粋で品質の優れたホワイトグースダウンを充填した羽毛布団の販売価格は、既にかなり上昇しており2016年も下がる要因が見当たりませんでした。2017年に入り再び「鳥インフルエンザ」という文言も目立ちます。

そんな中で「羽毛布団の割引セール(前年度持ち越し品等の理由による)・羽毛布団の激安バーゲン」 と言う様なキャッチコピーで販売されるパターンも例年通り繰り広げられる事でしょう。

ただし良質のダウンの原料高騰により、各メーカーも無駄な生産は控えているのが現状です。少なくとも優れた品質のダウンが入れられた羽毛布団に関しては、「過剰生産の為、持ち越し品在庫処分」と言うセールのキャッチコピーは、現状では死語と言って過言ではありません。 残念ながら中には「品質のあまり良くない羽毛布団」も出回る可能性がありますので、今年も羽毛布団を買う場合は、いつも以上に注意が必要です。

さてそんな羽毛布団の選び方ですが、いろいろな情報がある中で、なかなか判断出来難いと言うのが現実です。特にこれから羽毛布団の選び方としては、ダウン・羽毛の正しい知識/品質・機能・価格を、今まで以上にきっちり理解していただく事が大切になります。

良質のダウンを手に入れる事が出来る羽毛布団の原料・ダウンの産地、ポーランドやハンガリーの現場を回っていると少なくとも2016年~に関しての羽毛布団の状況は、この数年前とは異なり大きな転換期に入った感があります。羽毛布団の選び方としては、きっちりした品質のものをお求めの上その羽毛布団を大切に長く使い続け、傷んできたら「羽毛布団の仕立て直し」をしてまた長く使う…そんな時代になる気がします。 キーワードは、「良質の羽毛布団を選び、ご使用後10~15年で保温力に低下や、ダウンの吹き出しがみられたらリフォームをする」 です。

さてその羽毛布団の選び方ですが、ホワイトグースやシルバーグース、もちろん最高級のマザーグースやアイダーダウン…。ポーランド産やハンガリー産。生地に関しても綿100%が良いのか、リヨセル・テンセル、シルクがあったり…


羽毛布団の選び方・羽毛布団の買い方のポイント

・価格の差、まずは身近なモノ、例えば自転車と玉子…

全国の多くの皆さまから羽毛布団のご注文をいただきます。同時に羽毛布団についてのご質問のメールやお電話も多くお受けします。「羽毛布団を買おうと調べてみたけど、9,800円があったり10万円があったり」などのご質問です。

その「羽毛布団の価格の差」をご説明させていただきます。「自転車」をお考え下さい。大人用の自転車でも今ならホームセンターさんで特価7,800円!!なんて激安で販売されています。価格に見合った性能はありそうですが長い期間使用出来るか少し不安です。

少し高い価格で販売されている3~5万円前後の自転車はいかがでしょう。外観は良く似たものでも、使用しているフレームの品質や、ねじ類の精度、タイヤの品質等々に「差」があるものです。同じ条件で使っていれば、必ず後者の方が安全に、また快適に安心して使えるのではないでしょうか。もちろん細部のパーツの質をアップしていくと、5万円10万円~という自転車がある訳です。

  外観は同じような形のモノですが快適性、安全性、耐久性に明らかに「差」があります。激安で販売されている自転車のほとんどが、日本国内で作られた品ではなく、海外生産品が目立ちます。自転車の様な工業生産品は、まだ問題が少ないと思いますが…


工業製品の場合は、昨今のデジタル管理等で、支払う価格に見合う品質の製品が、ある程度安定した形で毎年供給されますが、農場で飼育されている家畜・家禽の場合は、その年の自然現象・気象条件等により、飼料となる穀物の収獲量や家禽の発育状況に変化が見られ、原毛の品質および収穫高は、工業生産品と比較して不安定な部分もございます。

ポーランド産やハンガリー産と表示のある原毛でも飼育地域・飼育期間・その他諸々の条件によって品質は、全てが同じでは決してないのです。その品質を見極めるのが私たちプロの仕事だと認識しております。

★羽毛布団の場合は、「工業生産品」と比較して、海外製造の商品は、かなり問題が発生する可能性が高くなります。特に寒い冬もあれば、高温多湿の夏場がある日本国内で使用する場合、原毛の洗浄処理は、大変重要なポイントとなります。

羽毛布団も同じ

価格と品質に関しましては、身近な食べ物で「玉子」を考えて下さい。スーパーマーケットの特売でワンパック10個入り特価100円!!と言うのがあるかと思えば、となりの特選コーナーに、天然地鶏の「今朝ほど取れたばっかり!」とかで、1個100円と言う「玉子」も見受けます。中にはもっと高額なものもあります。同じ「玉子」と言えども、親鳥が飼育されている環境や飼料の内容、質によって「プリプリの黄身や、カチッと盛上がった白身」等、明らかに1個10円の玉子と1個100円の玉子には、味その他には、価格に見合った「差」があります。

こちらもお値段で言えばほぼ10倍になります。ただ私は、決して10個100円の玉子を否定しているのでは、全くありません。口にして安全な品質基準をクリアしている場合は、お料理の内容や、価格等いろんな条件で使い分するべきだと思います。

自転車や玉子の様に一般の方が日常手に触れたり、また頻繁に買ったりする商品等は、良い物とそうでないもの、またその「差」が判断しやすいのですが、「羽毛布団」なんてそんなに買うものではありません。それだけに判断がつきにくい商品だと思います。

しかし結論を言えば、「羽毛布団の選び方」も「自転車や玉子」の選び方も同じ事が言えます。他の例では、自動車に例えれば判り易いです。日常の買い物には小回りのきく1,000ccのコンパクトな自動車、高速道を長時間、安全に快適に…なら3,500ccや5,000ccの大きなエンジンの自動車」と同じ自動車と言っても、使用目的が異なれば適正なスペック・仕様が異なります。

同様に「羽毛布団」と言う製品名は同じでも、中に入れるダウンの品質や、使用する生地(自動車で言えばエンジン排気量や外装の材質構造等)によって、価格・耐久性・快適性等、全てに大きな「差」がでてくる事になる訳です。

★「自動車を買う時」「自転車を買う時」「テレビや冷蔵庫を買う時」「携帯電話を買う時」「パソコンを買う時」「○○○○を買う時」全て同じように、誰が・どのように・どの位の期間・使用するか又、予算がいくらなのかによって、適正な「製品」を選ぶ事になります。ユーザーの皆様が、羽毛布団の選び方でお迷いの時、「実際にご使用になられた時、ご満足いただける羽毛布団」を提案させていただくのが、私たち「プロ」の仕事だと考えております。


2へと続きます